阪急神戸線の夙川駅をおりると、東側に夙川が流れています。
小さな川やけど、両岸には延々と桜並木が続き、4月になるともう花見客でいっぱい。私が歩いた日は、まだまだつぼみは固くて、桜の花をみることができず、う〜ん残念。
でも桜のかわりにいろんな笑顔に出会いました。

川べりのお地蔵さん

「夙川さくら道」の左岸を南に歩いていると、向こう岸になにやら小さなお堂が?片鉾橋を渡ってそばへいくと、提灯と花できれいに飾られたお地蔵さん。
にっこりとやさしい顔した、その名も
「夙川延命地蔵」
『おんかか かびさんまえい そわか』
意味はわからへんけど、「三回唱えお祈りください」の立て札に思わず神妙に手をあわせる私です。
そのまま、右岸の川沿いをまっすぐおりてJR神戸線の高架をくぐると
いやぁ、またお地蔵さんや!
こちらの名前は
「日切地蔵」さん。りっぱなお堂の中で静かに笑ってはります。
上のお地蔵さんもそうやったけど、人が次から次へとお参りにきはるのには感心。
おばちゃんに聞いた話では
「ほんまによう願い事をきいてくれはる」そう。
私の願い事もきいてくれはるやろか。
日切地蔵さんの少し南にちょっと恐いお顔で祀られてはるのが「夙川不動明王」
なんでも安政年間の作で、昔は山にあったのが大水で流されて苦楽園(夙川の北方向)川筋の橋下に埋もれてはったそうです。
お不動さんを撫でながら、一心にお祈りしてはったおばあちゃんの姿が印象的。
桜並木のはたのお地蔵さんたちは、まるで昔話の絵本のようやった。

かわいいお芋屋さん

夙川橋を渡って左岸を歩くと、ここからの道は「夙川オアシスロード」
この道は、
道幅がかなり広いしスロープもあるので、車イスや杖をついた人も歩きやすそう。
川沿いはベンチも多いし、
公衆トイレも新しくてきれいなのがうれしかった!ただし、車イスで使用できるトイレはないのが現状です。
広々とした道の途中に、ポツンと小さな出店を発見。
なにかな?と近寄ると20すぎの可愛い女のこが、ザルにお芋をいれて売っていた!
兵庫県播磨産のさつま芋を知り合いの農家から仕入れて、土、日だけお芋屋さんしてるんやそう。
焼き芋もつくってて、散歩の人がけっこう買ってくれるんですとニッコリ。
でもこの日はどうみても売れてるふうでもなく、寒そうな彼女をみてつい一盛り買うてしもた。

鳥取から野菜を

ちょっと荷物は重たいけど、浜に向かって歩きます。
阪神電車の香櫨園駅を越えて、少し行った左岸に又お店が出ていました。
お店というても、小さな箱に野菜や干物やお餅などをいれて置いてあるだけ。でも、けっこうな数のお客さんが来てはって、お店も大繁昌。
「また、来週ね。」と声をかけあったり、みんな和気あいあいの様子なんでつい話しかけると…
なんと店主の
A子さん(40過ぎ?)は以前この夙川に住んではったんですが、あの阪神淡路大震災で自宅が壊れ、仕方なく実家の鳥取へお引っ越し。
でも友達はこちらの方が大勢いるし、会いに来るたびに鳥取でつくっている野菜や捕れた魚をもってくるとこれが大評判。
「こんなおいしい野菜、こっち持ってきて売ったら?」という言葉にはげまされ、なんと土曜日だけ鳥取から車走らせて売りにきてはるそうです。
ちなみに本日のおすすめは、朝の2時(朝?)からつくった熱々の魚の天ぷらと捕れとれの塩さばでした。
私はこの天ぷらとかきもちをゲット!
めっちゃ明るいA子さん
「おおきに。また、土曜日に!」。野菜や魚だけじゃなく元気も売ってはるみたい。

菊池貝類館のオカアサン

夙川をどんどん南へ下っていくと香櫨園の浜へでてきました。左岸の方は広い浜がひろがり、カモメやかもがのんびりと浮かび、静かにバードウォッチングしている人も。
ああ、ええ気持ち!と、思った途端に、目の前に広がっているのは大きな埋め立て地で、その上に高層住宅がどーんと壁のようにそびえてる!

ちょっと興醒め…。私は昔の浜の風景をしりません。
ただ目の前にそびえる建物群を見て、これがなかった時の景色は、さぞかし広々と気持ちのいい風景やったんやろなと思います。
景観や環境というものの価値がわからない人が増えた時代があって、それは日本のいろんな地域で今も続いているんやと、海を眺めて
怒りフツフツ
そんなこんなで、右岸の浜に渡って右にまがり、しばらく行くと
菊池貝類館があります。
菊池典男博士が世界で収集した約2千種を展示。さわることもできる。
最初はなにげなく入ったんですが、その貝の多さやバラエティーに富んだ収集物(面や人形、おもちゃ等も)にびっくり!
でも何よりも素敵なのが、貝の説明をしていただいた
菊池先生の奥様です。
にっこり笑った顔がチャーミングで、やさしいオカアサンって感じ。
お話もわかりやすく、おもしろい。のぞき窓から目をだして魚を捕る貝とか、やすりの歯をもつ貝とか今まで知らなかった貝の生態なんて、知らないことばかりだったのでずいぶん勉強になった!!
建物はちょっと古いけどユニークな施設です。火、土、日のPM1:00〜5:00しか開館していないけど、これは必見。
さわやかな笑顔に出会えた三月。夙川沿いは車の騒音も遠く、香櫃園の浜は兵庫県鳥獣保護区で、なんとかぎりぎりで自然を残そうとしてます。
でも、夙川の水も生活汚染のためか白くあわだって濁ってたり、海中の石は藻でヌルッとして決して良い状態ではありません。どうかこれ以上自然をこわさないようにと、心からそう思いました。
                   (2001.3.3 ともこ記)
ウォーキングコース
兵庫県西宮市
夙川から香櫨園浜
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