神戸の長田区はあの阪神・淡路大震災による被害で全国的に有名になった。地元の人にとっては、悲しいできごとで名が知られるなんて残念なこと。自然災害の力は強いけど、負けるわけにもいかへん。そんな気持ちがそこかしこに感じられる街でした。

大クスノキとニワトリ


長田神社の大クスノキ
神戸市営地下鉄の山手線「長田駅」。西2号出口をあがると、そこは車と人で賑わう長田駅前商店街。震災で新しくなった通りは、門前町の名残りか和菓子屋さんが目につく。近くに学校があるので、若い人の姿が多くて活気があります。
そこを道なりに進んで行くと大きなクスノキと鳥居が見える。ここが長田神社、通称「長田さん」。駅前の喧噪から離れた静かな境内にあるクスノキは、なんと樹齢700年!涼しい日影をつくってくれる木の下では若いお母さんと子ども達の遊ぶ姿がなんとものどか。
この神社では土製の鶏の玩具を売ってた。どうしてかと云うと、明治の頃、境内は氏子から奉納された
ニワトリがいっぱい放し飼いにされてた。それで外国人は長田神社を「チキンテンプル」と云うてたそうです。さぞかし、賑やかやったやろうね。今はそのニワトリの姿もなく、鳩がいっぱい。

そばめし発祥の地

長田さんから南へ歩いてくると町工場の多い地域になります。震災のため、その数は減ったけどプレハブの工場からは元気な機械の音が聞こえる。ちょうど昼休みになって、汗びっしょりの工員さんが出てきはった。
みんな嬉しそうな顔して、イソイソと近所の焼肉屋さんやお好み焼き屋さんに入ってく。ずっと歩いてて感じたのは、「何とこの町、お好み焼きの店が多いこと!」。
長田区にはお好み焼き屋が100軒以上あって、ちょっと歩いたら店にぶつかる。さすが、「そばめし発祥の地」やね。そもそも「そばめし」というのも昔、工場で働いてる人が焼そばを注文して、焼けた鉄板の上に弁当の冷めた御飯をのせて一緒に食べたんが始まりやといわれてる。
どの店にも共通してるのは、分厚くて大きな鉄板とこげたソースの匂い、そして汗びっしょりの真っ赤な顔したおっちゃんとおばちゃん。
厚い、熱い、暑いの三拍子。
ちなみに、食べに入った店「ゆう」のおばちゃんの言葉は、最後まで「あー、暑ーう!」の一言だけやった。

焼肉のタレの自動販売機

足だけの温泉


天然の温泉に足だけつかる
工場地域から商店街にかけて、お好み焼き屋と同じように目につくのは、焼肉屋さんと材料の店。何と!焼肉のタレの自販機まであったのにはビックリ!もっとも故障中やったけど。
焼肉材料も「センマイ」「ハチノス」「タケノコ」など、はて?どの部分かなと思うのもあっておもしろい。それを横目でみながらウォーキング。
JRのガードを通り抜け、新長田南地域商店街へ。
少しわかりにくいけど、ジョイプラザの南にあるのが露天の「新長田ふれあい足湯」。アスタ温泉を源泉として、
服をきたまま温泉に足をつけられる施設です。
ただし、この日はかなり暑かった。こんな日に足湯?と思いながらも行ってみると、日傘をさして足をつけてる女性が二人。
「お湯は熱くないんですか?」との問いに「いやいや、お尻の方が熱いわ」との返事。「気持ちいいから足つけてみ」との誘いに靴をぬぐと「熱い!」。地面と腰かける所が熱いので、お湯がかえってぬるく感じられる。
「近くにあるんでよく来るけど、さすがに夏はきついわ」日傘の女性いわく「夏だけ屋根があったらいいのにね」。でも二人とも続ける事で身体の調子はいいそうです。「だから、暑いけどこうして来てるの」。
私は炎天下に5分でギブアップ。夏はちょっと厳しいかも。
南地区の商店街は「お年寄りにやさしい商店街」をテーマにしてはるそう。道の途中には貸し出しの電動スクーターがあったり、店先にベンチがおいてあったりしてみんなにもやさしい。
震災のダメージはまだいろんな所に見えたけど、「頑張ってるで」というように、夏祭りの準備の幟(のぼり)があちらこちらではためいてた。
(2001.7.13 ともこ記)
ウォーキングコース
兵庫県神戸市長田区
長田神社から六間道
←歩けのページへ CC愛のページへ→