兵庫県加古川市にオープンした体験型介護モデルハウス
(2001年6月18日取材)
高齢者や介護を必要とされる方のために、
介護用品の展示、バリアフリーの体験やケアマネージャー・
設計士による介護保険制度を利用した住宅改修相談などを行い、
地域に根ざしたモデルハウスを目指しておられます。
お話を伺ったのは、相談員の岡田さん。
ショールーム1階:キッチンや介護ベットが展示されています。 押入れを改造したトイレ
●まず、なぜこの展示場をつくろうとされたか、経緯を教えていただけますか?

私事で恐縮なのですが、父が脳血栓で倒れ、右半身がしびれた状態になり、介護に関心があった。ということがあります。
この家は、以前モデルハウスだったのですが、最近は倉庫として使われていて、改築するにはちょうどよい物件だったので社長にお願いして、このような展示場にしました。
それに、117グループさんとの提携ができたというのも大きな要因です。117グループの、介護部門「あっぷる」さんは、この地域の介護で知名度がありましたし。
イヌイホームは住宅のプロですが介護に関してはチンプンカンプン。あっぷるさんは介護のプロですが住宅に関してはチンプンカンプン。住宅改修においても弱い部分を補え、来られた方に総合的にアドバイスができる。と考えたからです。
また、他社との差別化という点では大きな意味があると思っています。

●あっぷる救民さんとの提携で、どのようにプラスになりましたか?

介護保険を使った住宅改修に限っていえば、ケアマネージャーさんの存在はかかせないですよね。どうしても事務作業が多くなり住宅の営業ができなくなってきますが、その部分を相談してやっていけるし、お客様の窓口が一本化でき、安心を与えられます。

●5月1日のオープンには、意味があるのですか?

介護保険制度は2000年4月1日から始まったのですが、1年たった2001年の5月1日はちょうどいい時期だと思っています。
準備は早くから始めていたのですが、介護保険制度が始まるということでいろんな業種が話題にもなり、いろんなところが参入されましたが、イヌイホームではまだ時期早々の感ありと思ったのは事実です。1年間様子を見、勉強もし、今年5月1日。4月1日という話もあったのですが、まる1年を過ぎたこの日にこだわりました。

●オープンされてからの反応は?

この展示場は、「転ばぬ先の杖」として見てもらっています。転んでから杖を捜すのではなく、来ていだだき体験していただく、その気配が来た時に、ご相談があればいいと思っています。
ここに来られる方は、用心をされている方、興味をお持ちの方、転ばぬ先の杖を持っておられる方。持っておられない方に持ちましょうといっても、これはぜんぜん話にならないでしょう。「いつかその時があなたにも来ますよ」と、説得すればするほど怒る方もいらっしゃいますし、まず興味をお持ちでない方はこの展示場に来られないですよね。
関心のある方は限られます。知り合いに悩みがある、自分自身に悩みがあるという方に対してのアプローチですから、チラシまいても無駄が多いです。
実際のところは病院関係、公共施設それから市町村などの公的な機関。そんな中でも多いのは市町村の窓口で聞きました、とか、ケアマネージャーさんの繋がりなど、ほとんどが口コミで来られる方ですよ。
それから、オープンしてから感じていることなのですが、身障者の方の事ですね。
介護保険とは違う制度ですし、申請用紙なども違っていて、大変なのですが、若い身障者の方と一緒に来られるお父さんお母さん、熱心ですよ。こんな方はバリアフリーにしても値うちが違います。ご本人さんも快適が得られますし、お父さんお母さんが年をいかれても便利ですし、20年30年と使えば安い投資ですよね。

●バリアフリー・ケアフリー・ストレスフリーといわれていますが、設計上にどのように活かされていますか?

柱の間隔のピッチ(モジュール)が決まっているのですが、増改築の場合は、その部分だけピッチをくずして行うのですが、なにぶんにもコストのかかることで、できれば新築時から考えていただけるようご提案しています。
イヌイホーム本体は普通の分譲住宅や戸建てを扱う会社で、現在の分譲住宅は910モジュールですが、バリアフリーを意識した新築や増築の場合は1メートルモジュールを基本に考えています。ゆとりのある広さをとりたいし、価格的にいってもモジュールが大きくなったからといってもほとんど変わらないですし。
全社的にメーターモジュールを基本にしていく方向に動いています。メーターモジュールといわれだしたのは、10年ぐらい前からですが、理想をいうならもっと広いモジュールまで視野にいれて、階段スペースは大きくとっておくとかしたいですね。
通路の取り方も、玄関を入って廊下を通って各部屋に行く「廊下タイプ」の設計から、「ホールタイプ」の設計へ移行しています。
バリアフリーを考える時、住む方の導線を先に考えますよね。ホールタイプの設計なら玄関から各部屋へちらばっていくので無駄なスペースがなくなります。
介護の必要がきてから増改築であわてて対応するより、できれば最初に建てられる時から何年か後のことを考えていただけるようご提案をしています。同じ予算でも、各部屋が大きくとれますし、介護が必要になった時のことも考えておく。例えばトイレの扉でも車イスのスペースを考えて3枚引き戸に取り替えれる準備をしておく。扉はその時々でデザインもありますし、機能も年々変わってきているのでパーツとして考え、その時のあった物にしていけるよう、始めから設計に組み込むことが大事だと思っています。

●1年がたった介護保険制度ですが、マスコミ等で問題点が取りざたされました。
 現場としてどのように思われますか

ケアマネジャーが犯罪をおこした記事には、おじいちゃん、おばあちゃんは敏感ですし、1年たって肌で感じるのは、積極的にすすめてくれないな、ということ。行政の窓口に行っても聞かないと教えてくれない。申請用紙が備え付けてあるのかというとない。いうと奥から出してくる。こんな状態ではまだまだかなあ〜って感じます。
保険料を払っておられる方のなげきの声もきくのですが、少ない年金の中から取られている。取られるという感覚があるのに、それが何に使えるのかといえば、それを知られていない。
もう少しPRしてあげてもいいのでは、と思います。
イヌイホームでは、介護保険だけに頼ってやっているわけではないのですが、障害者のための住宅の助成金制度、これは昔からある制度で介護保険制度が出来たことによって、身障者にもスポットがあたってきたようにも思います。
また市によって潤っている所ってあるじゃないですか。法人の税金が多く入る所。近所の町は農業の所帯が多くそうではない町ですよね。市によって住みやすい地域、お金がかからない地域という色分けがだんだんと濃くなって来るようにも思います。この制度も2〜3年たつとルールは変わってくるでしょうね(笑)。

●今後、この展示場を活かしていくために、どのような計画がありますか?

そうですね、今も行っているのですが、2階のイベントルームを使っての料理教室とか、老人ホームの方に来ていただきゲームで遊んでいただくとか、ご近所の方々を中心に行っています。
また、研修に使っていただくとか。先日もある市町村の介護保険の窓口の方が車イスに乗ったことがない。と、体験しに来られました。
介護のコミニュケーションセンターのような役割ができればいいでしょうね。

本日はありがとうございました。
やすらぎ体験ハウス
住楽
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